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スポーツドリンクを飲むときはカロリーの低さで選ぶ

 運動中に大量に汗をかくようなときの水分補給に関しては、吸収が早いスポーツドリンクがおすすめです。自分のペースで軽く走る……といったレベルではなく、サッカーや野球のように長時間にわたるような運動を行うのであれば、糖質がきちんと含まれているドリンクでエネルギー補給をすることが熱中症予防にもつながるからです。

 いつでも「カロリーが低いから良い」というわけではありません。何のために水分補給をするのかを考えることが大切です。

 一口にスポーツドリンクといっても、大別するとアイソトニック系とハイポトニック系があります。違いは、「浸透圧」で、人間の体液とほぼ同じ浸透圧の飲料は「アイソトニック飲料」、体液より浸透圧が低い飲料は「ハイポトニック飲料」と呼ばれます。アイソトニック飲料は運動「前」に飲むのが効果的、ハイポトニック系は吸収が早いので運動「中」に飲むのが最適といわれています。手に入りやすい商品としては、アイソトニック系なら「ポカリスエット」(大塚製薬)や「グリーン ダ・カ・ラ」(サントリー)、ハイポトニック系ならば「ポカリスエット イオンウォーター」(大塚製薬)などがあります。

 最近は「OS-1」(大塚製薬工場)のような経口補水液の商品もありますが、これはスポーツドリンクよりも塩分量が多く、糖質が少ないので、熱中症のリスクが高い場合や、大量に汗をかいたり、すでに軽い脱水症状があったりなどの場では経口補水液の方が良いでしょう。

 いずれにしても、スポーツドリンクでも経口補水液でも、どの商品にも糖分や塩分が含まれます。ご自身の体にあった量や飲み方をしていただければと思います。

 また、運動中や運動後の水分補給には気を配っていても、運動前の水分補給はサボリ気味というケースもあります。熱中症対策としてはもちろん、日頃から、喉が渇いていなかったとしても、快適に体を動かせるよう、運動「前」に水分補給することを忘れないようにしましょう。