学費免除が認められやすく
コスパが高い日本留学

 そして楊社長は日本の国公立大学への留学の「コストパフォーマンスの高さ」を指摘する。「私立と比べて学費が安いだけではなく、学費の完全免除や一部免除の申請も認められやすい。成績優秀者に対する給付型奨学金も用意されている」と言うのだ。

 こういった安さに加えて、選択肢の豊富さも魅力だ。

中国人留学生がコロナ後に爆増しそうな理由、日本の大学は「安くてお得」『週刊ダイヤモンド』2021年8月28日号の第1特集『安すぎ日本 沈む給料、買われる企業』は、安い国となってしまった日本のあらゆる側面をレポートしています

 世界大学ランキングで近年、日本勢の苦戦が報じられることが多い。最新の英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)のアジア大学ランキングでは清華大学が1位、北京大学が2位と中国勢がトップを占めた。その後も、シンガポール、香港の大学が並び、7位の東京大学でようやく日本勢が顔を見せる。アジア全体のレベルが上がるなか、日本勢のランクは低下傾向にある。

 しかし、「日本の大学にも魅力はある。特に農業から工学、最新のAI(人工知能)まであらゆる分野を網羅している点は強みだ。留学生も最初から専攻を決めている人ばかりではない。学びながら将来を考えたい学生の場合、選択肢の豊富さは強みだ」(楊社長)

 中国人の日本留学熱の高まりには、まだ要因がある。