犯人の供述が明らかになった現在では、「決めつけてたヤツは半年ROMってろ」などの書き込みが見られる(※ROM=Read Only Memory(読み出し専用メモリー)、SNSなどで発信せず読み専門に徹しろの意味)

 現代はYouTuberなどネット上のインフルエンサーたちが、大きな力を持ち始めている時代だ。さらにインフルエンサーでなくとも、一ユーザーの投稿が拡散される場合もある。SNSアカウントを持つ人やニュースのコメント欄に書き込む人、すべてが情報の切り取りやつぎはぎに対して、受け手としてだけではなく、発信者として気をつけなければならない。

ラーメン店経営女性が民事提訴
不確かな情報をうのみにして誹謗中傷に走る

 ここ数年、ネット上で誹謗中傷被害に遭った人が裁判に訴えるケースが報道されることが増えた。

 今週、民事提訴を行うことが報道されたのは、元「バイトAKB」でラーメン店を経営する梅澤愛優香(まゆか)さん。

 取引先に対して「人間性に問題ある方」「裏に反社がいるのは事実なようです」といったメールを送られ、立ち上げ予定だった店舗が開店できない状況に陥っているという(※反社=反社会的勢力)。

 メールを送った男性はネット上でも特定されており、9月9日の時点では「鍵アカウント」(※フォロワー以外からはツイートが見えない状態)となっている(参考:元AKBラーメン店主、取引先に「反社と繋がっている」と「ウソ」の連絡され「麺オタク」を提訴へ〈弁護士ドットコム〉)。

 梅澤さんは慰謝料など計220万円の損害賠償を求めていると報道されているが、実際の損失はさらに大きいだろう。

 報道されているメールを見ると、その男性は確信を持って梅澤さんの悪評を取引先に伝えている。何をきっかけに梅澤さんに対してネガティブな感情を持ち始めたのかはわからないが、明らかになっている過去の書き込みなどを見るに、ネット上での不確かな情報をうのみにし、仲間と共有することで勝手に確信を強めていったように見える。