セブン-イレブンPhoto:Diamond

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はセブン&アイ・ホールディングスやローソンなどの「コンビニ/スーパーマーケット」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

セブン&アイHDは1割超増収
4社とも増収率はプラスに

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のコンビニ/スーパーマーケット業界4社。対象期間は21年3~6月の直近四半期(セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、イオンは21年3~5月期、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは21年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・セブン&アイ・ホールディングス
 増収率:11.8%(四半期の営業収益1兆5554億円)
・ローソン
 増収率:8.9%(四半期の営業総収入1693億円)
・イオン
 増収率:3.7%(四半期の営業収益2兆1532億円)
・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテなど)
 増収率:5.8%(四半期の売上高4404億円)

 コンビニ/スーパーマーケット業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、4社ともプラスだった。中でもセブン&アイ・ホールディングスは、1割超の増収となっている。

 しかしながら、これらの増収率の背景を見てみると、各社の明暗は分かれている。どういうことなのか。次ページ以降で詳しく解説する。