お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

30歳と50歳、資産を増やしやすいのはどっち?Photo: Adobe Stock

お金持ちになる人はいくつになっても夢は叶えられると考え、
お金持ちにならない人は年齢を理由に挑戦しない

「年齢は単なる数字にすぎない。人は長く生きるほど、目標や夢を実現するための時間と機会を多く得られるのである」

素晴らしい何かを始めるのに、遅すぎることはありません。例を挙げましょう。

・マハティール・ビン・モハマドは、90代でマレーシアの首相になった。
・ノーベル化学賞を受賞したイェンス・スコウは70代でプログラミングを学び始めた。
・ヴェラ・ウォンは40代からファションデザイナーとして活動しファッションの一大ブランドを築いた。
・カーネル・サンダースは60代でケンタッキーフライドチキンを創業した。
・ジョン・ペンバートンは50代でコカ・コーラを創業した。
・レイ・クロックは50代でマクドナルドを創業した。
・ロビン・チェイスは40代でカーシェアリング会社のジップカーを創業した。

年齢を重ねてからビジネスを始めると成功する可能性が高まることを示す調査結果は多くあります。マサチューセッツ工科大学のピエール・アズーレイらによる「年齢が起業の成功に及ぼす影響」と題した研究によれば、起業時の年齢が50歳だと、30歳に比べてビジネスを成長させられる可能性が2倍近くも高まります。起業では経験や知恵が大いに役立つということなのでしょう。

基本的に、貯蓄や投資はできるだけ早く始めるべきです。しかし、年をとってから始めても良いリターンを得ることは可能です。

図の例を考えてみましょう。毎月1000ドル貯金し、平均年間収益率が3%と仮定すると、65歳になるまでに税引き前でどれくらい資産を増やせるでしょうか。30歳から始めると、貯金額の合計が42万ドル、利息の合計が32万3000ドルになり、総額は74万3000ドル。50歳から始めると、貯金額の合計が18万ドル、利息の合計が4万8000ドルとなり、総額は22万8000ドルです。こう見ると、若いときに資産形成を始めたほうがいいのはたしかです。しかし、50歳から始めてもそれなりの成果は出せます。始めるのに遅すぎることはありません。今できることに目を向けましょう。

30歳と50歳、資産を増やしやすいのはどっち?
お金の格言
「素晴らしい何かを始めるのに、遅すぎることはない」

実践しよう

■いつでも夢は実現できると考える
今日の文化やメディアは過度に若者をもてはやしています。しかし、人はいくつになっても、その時々の年齢でできることが山ほどあります。低収入で苦しむ30歳であれ、会社を解雇された40歳であれ、早期退職をした50歳であれ、年金暮らしをしている65歳であれ、それは同じです。

年齢など気にせず、夢を追い求めましょう。自分のビジネスを始めてもいいですし、家族のために経済的自由を実現するということでもいいでしょう。若いときのような体力はなくても、年齢が上がった分、経験や知恵が身についているはずです。どのような年齢であれ、起業家として成功できるかどうかは、その人の考え方や信念、決断力、ビジョン次第です。年齢を忘れ、エネルギッシュに行動しましょう。前述したアズーレイの研究によれば、スタートアップの創業者の平均年齢は42歳。急成長しているスタートアップ上位0.1%に限れば45歳です。

■高齢者向けの制度を活用する
貯蓄と投資も、起業と同じで経験や知恵がものをいいます。年齢が高くなることで得られるお得な情報には常に目を光らせておきましょう。たとえばイギリスでは数年前まで、65歳以上の人は年金債券を購入できました。一人当たり年間2万ポンド、カップル当たり4万ポンドまで投資でき、年利は1年債で2.8%、3年債で4%と好条件でした。高齢者の方は今すぐ、若い人は年をとったときにこのような制度をできるだけ活用できるように、情報収集をしましょう。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。