【モスクワ】ロシアが政府系ファンド(SWF)からの支出を抑制する検討に入った。背景には、世界的な化石燃料からの脱却の流れがロシア経済の屋台骨を脅かしていることがある。  ウラジーミル・プーチン大統領は石油・天然ガス収入を運用する1900億ドル(約21兆1000億円)規模の「国民福祉基金(NWF)」について、支出基準の厳格化を検討するよう、政府に指示した。現行規定では、ファンドの流動資産が国内総生産(GDP)の7%に達すれば、当局はファンドからの資金拠出が可能となっている。プーチン氏は今回、これをGDP比10%に引き上げることを求めており、ファンドからの資金拠出を実質的に制限する。