――内定者向けのオンライン読書会は、昨年度に続き今年度も実施し始めていますが、何か改善点などはありますか?

柿島 昨年度の実施で手応えをつかみましたので、内容を大きく変える予定はありませんが、2つの点を改善していきたいと思います。

 1つ目は、実施回数ですね。実は昨年度は、6回開催したいと思っていたのですが、始めたのが11月だったので1回しか開催できませんでした。内定者は入社までに、健康診断や最初の配属に向けての面談をしたり、業務に必要な資格試験を受けてもらったりと、やらなければいけないことが多く、読書会に割ける時間がなかったのです。そこで今年は9月下旬に第1回をスタートさせ、できれば月1回ぐらいのペースで行っていく計画を立てています。

 2つ目は、昨年度はグループで話し合った内容を発表・共有するだけで終わってしまったので、今年度は「気づき」や「学び」の要素をもっと増やしていければと思います。そのためには私たちファシリテーターが、単に内定者の発表に対してコメントを返すだけではなく、より深く考えるきっかけを投げかけたり、内定者同士のディスカッションを上手く誘導したりするなど、積極的な関わり方をしていく必要があると考えています。

――これまで参加された内定者からの反応はいかがですか?

柿島 内定者のみなさんからの反応はとても好意的です。「懇親会でただ集まって話をするよりも、共通の図書があって、それに沿ってディスカッションするほうが話が膨らむし、お互いの考え方がわかって楽しかった」という感想をもらいました。また、「社会人として働くイメージが持てた」という声も多かったですね。

――オンライン読書会を開催する当初の狙いとして、「内定者同士の相互理解」があったわけですが、その点に関しての成果は得られていると?

柿島 はい。読書会でなければ、オンラインであれほど濃密な内定者同士の話し合いはできなかったと思います。まだまだ改善点はありますが、お互いの考えや価値観に触れ合うための良い機会になっていると思いますし、相互理解の促進に十分な効果があると考えています。