事情はどうあれ「小池新党」に見える
国政への野望が自らを滅ぼす

 それにしても、国政への野望や未練を捨てきれない小池知事や都民ファーストの会を、有権者である都民はどう見ているのか。東京都知事として、あるいは都議会議員として投票した面々が、都政そっちのけで国政進出に血道を上げているのである。小バカにされたと思わないのか。

「このまま都政にとどまっていては東京の未来も、日本の未来も切り開くことができない」――。これは荒木代表が会見で述べた、結党理由の言葉である。なんやかやと理屈を付けて、結局は国会議員になりないのですね、あなたたちは。筆者には、そう聞こえて仕方がない。

 石原慎太郎都政末期、石原知事は国政への未練タラタラで、都政にはほとんど関心がなかった。週に2~3回しか登庁しなかったことは、つとに有名である。そして、「太陽の党」を結成し国政に打って出てあえなく失墜、老醜をさらした。

 ファーストの会もまた、同じ道を歩むのではないか。仮に小池知事の本心から離れた荒木氏らの“暴発”であったとしても、有権者には「小池知事」の看板しか目に入らない。事情はどうあれ、小池知事や彼らの国政への飽くなき野望が、小池知事の「終わりの始まり」になる可能性がある。

 心配だ。いや本音を言えば、都庁OBとして、そうなることを切に願っているのである。小池知事は、東京都にとって百害あって一利なし。国政への夢を追い、都庁からとっとと退場願いたい。衆院選が楽しみである。