もっと経済的にすごいのは、富裕層のリベンジ消費です。毎年、年末年始はハワイで過ごして、だいたい200万~300万円使ってしまうという富裕層が「この冬を含めてもう2年も我慢しているよ」という話をよく耳にします。

 都市伝説的にはこういった人たちが「ヘリコプターをレンタルしてゴルフ場に降りてきた」みたいな目撃談から、もっと堅実な例として「ベンツをテスラに買い替えた」みたいな話まで、富裕層の方とランチをするとリベンジ消費の武勇伝を聞かされます。

 個別の話としては面白いのですが、経済全体としてこのような消費がこの秋の日本経済にどこまでプラスに働くのかどうか? 今回の記事で検討してみたいと思います。

 さて、今回の記事ではリベンジ消費を以下の三つのカテゴリーに分けて、それぞれが経済にどう影響を与えるのかを検討します。

(1)富裕層のリベンジ消費
(2)庶民のリベンジ消費
(3)インバウンドのリベンジ消費

 ということで、まずは富裕層のリベンジ消費から見ていきたいと思います。

コロナで手持ち資産が増えている
富裕層の「リベンジ消費」とは?

 日本には、金融資産1億円以上の富裕層が133万世帯あります。本当はアメリカのようにその上に金融資産1000億円以上のビリオネアがいるのですが、日本の場合、そういったハイパー層は前澤友作さんはじめ数えるほどしか存在しないので無視することにして、この133万世帯のリベンジ消費について考えてみたいと思います。