Jさんの夫は70歳まで働くべき
ローンは繰り上げ返済すべきか?

 子ども2人が大学を卒業するまで最長9年は、生活費などの支出は減少することはないでしょう。

 Jさんの夫が60歳の時点でまだ2人のお子さんが学生であることから、キリよく70歳までは働くとしましょう。

 夫が70歳の時点でJさんは57歳です。Jさんは公務員なので収入が60歳まで大幅に減ることはないはずです。夫が60歳になった後も毎月の収入は38万円のままとし、夫の収入は厳しめに見て35万円から半減の17.5万円とします。

 長女の児童手当は終了、長男は2年分残っていますが、夫が60歳以降の試算では考慮しません。毎月の収入は55.5万円、年間で666万円になります。

 毎月の支出は42万円、年間504万円で変わらないとすれば、収入666万円、支出504万円で年間の黒字額は162万円です。夫が70歳まで働くとしたことから、黒字額162万円が10年間続くことになり、1620万円の貯蓄ができることになります。

 60歳時点の貯蓄2776万円に加えて、10年間で1620万円の貯蓄ができるため、70歳時点の貯蓄額は4329万円です。

 一方、住宅ローンの返済額から推測すると70歳時点でも1500万円前後のローン残高が残っていると思われます。70歳時点で全額繰り上げ返済すれば、残りの金融資産額は2896万円です。この金額にJさんの退職金が加わります。