あなたが嫌だと思う仕事は、果たして本当にやる意義のない仕事なのか。その仕事をやりたい仕事に変えることは、じつはそう難しいことではない。本稿は、山本大平『嫌な仕事のうまい断り方』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
仕事の意義がわからなければ
意義さえわかれば解決
なぜその仕事をしなければならないのか、やる意義が見えない。
それが、その仕事を嫌だと感じる理由なのであれば、実は、その仕事をやりたい仕事に変えるのはそう難しいことではありません。
嫌な理由が、自分の能力や時間が足りていないことであれば、力をつけ、時間を生み出す必要がありますが、この場合は、意義さえわかればいいからです。
そして、あなたがその仕事の意義を理解できない原因は、その仕事にまったく意義がないか、または、あるはずの意義をあなたが理解できていないか、どちらかです。
ここでは、あるはずの意義をあなたが理解できていない場合について述べます。
その無理解は、コミュニケーション不足によって発生しています。
上司があなたに意義を説明していないか、あなたが上司に意義を尋ねていないか、どちらかの理由によって、存在している意義をあなたが感じられず、納得もできていないのです。
たったこれだけのことで、「この仕事は嫌だ」と思ってしまっていることが、実は案外と多いのです。
ですから、嫌な仕事があり、その仕事の原因が、意義を感じられないからであるときには、一人悶々と考えるのではなく、意義を知っていそうな人に尋ねてみるのが一番早いし、楽です。
つまり、その仕事を振ってきた上司に、意義を聞いてみるのです。と言っても「これはなんのための仕事なんですか!」などと、問い詰めてはダメです。それでは、上司と敵対してしまいます。
そうではなく、まずは上司と同じ立場に立ちます。
向き合っているのではなく、横に並んでいるイメージです。
そして、質問する側とされる側ではなく、共有し確認するイメージでこう言います。
「この仕事、なんのためにやるんでしたっけ」
上司を攻めるのではなく、上司の独り言を代弁するのです。
すると、上司がその仕事の意義を理解しているならすぐに教えてくれるでしょう。そしてその答えが、あなたにとって納得できる「その仕事の意義」であれば、瞬時に、嫌だったはずの仕事はやりたい仕事に変わるはずです。