ジェットパックは開発が続けられ、2016年〜2018年には、900Nを発生するエンジンを2基搭載したJB10が登場ジェットパックは開発が続けられ、2016年~2018年には、900Nを発生するエンジンを2基搭載したJB10が登場
こちらは400Nのエンジンを6基積んだJB11。エンジンが故障した場合にもコンピューター制御により推力のバランスをとって墜落を防ぐというこちらは400Nのエンジンを6基積んだJB11。エンジンが故障した場合にもコンピューター制御により推力のバランスをとって墜落を防ぐという

 Speederはジェットエンジンを搭載しており、使用する燃料はケロシン/JET A/ディーゼルとなっている。ジェットパックで用いられているジェットエンジンの進化版を搭載している、と見て間違いないだろう。

2015年に自由の女神像でデモンストレーション飛行したジェットパック2015年に自由の女神像でデモンストレーション飛行したジェットパック

パイロットライセンスが
なくても運転可能

レクリエーショナルモデルとミリタリーモデルを用意。2018年以降、JETPACK AVIATION社ではSpeederの開発に注力しているそうだレクリエーショナルモデルミリタリーモデルを用意。2018年以降、JETPACK AVIATION社ではSpeederの開発に注力しているそうだ

 Speederは「レクリエーショナル」と呼ばれる仕様に、ウルトラライトとエクスペリメンタルと呼ばれる2モデルをラインナップ。ウルトラライトは搭載燃料5ガロン、最高速度60マイルに制限される。JETPACK AVIATION社でのトレーニングこそ必要だが、(アメリカの場合)パイロットの免許は必要ない。

 エクスペリメンタルはFAAパイロットライセンスが必要となるものの、積載燃料や最高速度に制限は設けられておらず、Speederの性能目いっぱいの15000フィート(4572m!)、最高速度150マイル(241㎞/h!)まで楽しめる。JETPACK AVIATION社で生産終盤に立ち会うことで、“エクスペリメンタル=実験機”という枠でFAAによる規制を満たす、と説明されている。つまりは、合法的な裏技であるようだ。

 本来、Speederは軍や公的機関向けの製品でヘリコプターでは危険なエリア、緊急搬送や物資補給に活用されることを想定して開発が進められてきた。よってレクリエーショナルの生産は20台の限定生産を予定し、以後は軍や公的機関向けに生産体制を優先させるという。

 Speederの価格は38万ドル~と公表されており、決して安い金額ではないがフェラーリを新車で買える人にとってはかなり現実的ではないだろうか? 垂直離陸が可能なSpeederは、クルマ1台分のスペースがあればどこでも離着陸が可能。水上バイクのように、空を縦横無尽に飛び回る時代がもう間もなくやってくる!?

文=古賀貴司 写真=JETPACK AVIATION 編集=iconic

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