スシローGHDの決算書は下図に示すとおりだ(なお、スシローGHDはIFRS〔国際財務報告基準〕を採用しており、日本基準を採用する他の2社と合わせるため、営業利益の計算にあたって「その他の収益」、「その他の費用」は加減していない)。

 スシローGHDでは、B/SのほうがP/Lよりも大きくなっている。この原因の一つは、スシローGHDがIFRSを採用しているためだ。IFRSでは、2019年12月期以降の決算期において、新たなリース会計基準(IFRS16号)が強制適用されている。スシローGHDでも、この新たなリース会計基準が適用された結果、従来に比べてB/Sに計上されるリース資産の範囲が拡大したため、有形固定資産が2019年9月期の260億円から、2020年9月期には1200億円へと大きく増加しているのだ。

 そして、もう一つの理由は、B/Sに計上されている多額の無形固定資産にある。これについては後ほど詳しく説明する。

 ゼンショーHDは、回転寿司「はま寿司」だけではなく、牛丼の「すき家」、うどんの「なか卯」、ファミリーレストランの「ココス」「ジョリーパスタ」「ビッグボーイ」などを展開する、外食コングロマリット(複合企業)とも呼べる企業だ。また、事業領域を拡大するにあたって、M&Aを積極的に活用していることでも知られている。

 ゼンショーHDのB/SもP/Lに比べて小さくなっている。寿司専業のくら寿司、スシローGHDに比べて、ゼンショーHDは寿司以外の外食事業や小売事業を保有しているために棚卸資産はやや多く計上されている。また、一部業態ではFC(フランチャイズ)展開を行っていることから、売上債権も計上されている。その一方で、土地建物を所有せずに賃借しているため、有形固定資産は少なく、結果としてB/Sが小さくなっているのだ。