ドイツのスポーツ用品大手アディダスは3月、中国を自社にとって最大の成長エンジンと呼んだ。Z世代の中国若者層を引きつけ、2022年北京冬季オリンピックでブランドを宣伝する目算もあった。ところが今や、中国は障害になっている。アディダスは10日の決算発表で、中国本土と台湾、香港の売上高が7-9月期に15%減少したことを明らかにした。4-6月期には16%減少していた。同社は欧米ブランド連合体の一員として、中国の新疆ウイグル自治区の強制労働疑惑に対する懸念を表明したことで、今年に入り始まった消費者の不買運動の影響を受けた。アディダスの中国問題は、中国政府が企業に対する規制を強化し、地政学的な緊張が高まる中、同国に進出している欧米企業が直面するジレンマを浮き彫りにしている。世界第2位の経済大国である中国から利益を得ながら、欧米の消費者が求める人権問題にどのように立ち向かうかを巡り、各社は対応に追われている。
アディダス、中国が一転逆風に 不買運動が直撃
かつて成長エンジンだった中国で消費者が欧米アパレルをボイコット
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