投資家は電気自動車(EV)が大好きだ。一方で、少しばかり複雑な気持ちを抱き始めている人たちがいるかもしれない。米ナスダック市場に10日上場した新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブは、公開価格の29%高で初日の取引を終えた。先週になってようやく発表された公開予定価格の中間値を31%も上回った公開価格でのこの上昇率だ。10月末時点でわずか156台しか納車していない(そのほとんどが従業員向け)にもかかわらず、時価総額(完全希薄化後ベース)は約1000億ドル(約11兆4000億円)。フォード・モーターやゼネラル・モーターズ(GM)といったデトロイト勢を上回る規模だ。従来の自動車メーカーは株式だけでなく社債からも資金を調達しており、そのような比較はほどほどにしておくべきだろう。それでも、リビアンの巨額IPO(新規株式公開)は、EVに対する投資家の熱狂がテスラのイーロン・マスク氏によるマジックだけが対象ではないことを見事に示していると言える。