かつてのようには盛り上がらない
日本シリーズ
日本シリーズはオリックスとヤクルトの対決となった。セ・パ共にペナントレースの優勝チームがクライマックスシリーズのファイナルステージを勝った結果だ。
両チームの対戦は1995年以来、阪急時代の1978年も含め3度目となる。
今回も、オリックスの若きエース山本由伸と、ヤクルトの山田哲人、若きホームラン王・村上宗隆の対決など、見どころは多い。
ところが、国民的な注目度の点では過去2回ほどの盛り上がりを見せるか、不安が先に立つ。プロ野球人気は様変わりし、日本シリーズも国民的関心事ではなくなっているからだ。
実際、日本シリーズの視聴率は、昨年も一昨年も巨人とソフトバンクの黄金対決だったが、関東では2ケタを記録したのはそれぞれ1試合だけ。他はすべて1ケタ台にとどまった。
かつてプロ野球は国民的人気スポーツだった。巨人という全国区の人気チームを柱に、プロ野球は全国規模の注目を誇っていた。それは中央集権的な日本社会を象徴してもいた。ところが、Jリーグ人気をきっかけに、プロ野球界にもホームタウン制が浸透し、プロ野球人気も地方に分散する形になった。ホームタウン制は、言い換えればローカル中心の文化への移行だ。巨人の人気も曖昧になり、野球は全国区の人気や報道の中核を失った。
Jリーグも当初は大ブームを巻き起こしたが、やがてローカル化が進み、日本中を巻き込むサッカーの関心事は日本代表戦が中心となった。こうした傾向に変革を起こす方法はないのか? 日本シリーズやJリーグのゲームをもっと「見たい」「見なければ」という空気に変える方法がないとプロ・スポーツはマイナー化の一途をたどるのではないか? そんな焦燥にひとつの光明をもたらすプランが、「スポーツ・ベッティングの導入」だ。