「ポテンシャルを秘めている」と
キャプテン吉田麻也も認める逸材

 Jリーグ王者・川崎フロンターレでプレーした1年半で、三笘は21ゴール15アシストをマーク。衝撃的な活躍が評価され、今夏にヨーロッパへ旅立った。

 しかし、30試合に出場したルーキーイヤーを振り返れば、先発出場はわずか11試合にとどまっていた。相手にも疲れがたまってくる後半からの途中出場で、体力的にもフレッシュな三笘から繰り出されるドリブルが猛威を振るった。

 完全移籍で加入したプレミアリーグのブライトンを経て、期限付き移籍で加わったベルギーリーグのユニオン・サンジロワーズでも途中出場でインパクトを残した。

 前半だけで2点を奪われ、退場者も出した10月16日のセラン戦。後半2分から投入された三笘はハットトリックの離れ業を演じてチームを逆転勝利に導き、待望論が高まる中でも三笘の招集に慎重だった森保監督をもついに動かした。

 前半17分にリードを奪った11月11日のベトナム戦こそ出番がなかったが、勝利が必要だったオマーン戦ではじき出した鮮やかな一発回答に、三笘自身も声を弾ませる。

「時間がたつにつれて相手も疲弊してくるところもあったので、最後の時間帯でゴールを取れたのは、必然の結果だったのかなと思っています」

 周囲とのコンビネーションが築けない状況を理解した上で、自らに課される仕事が限定される途中出場で、まずは個の力を前面に押し出しながら結果を残す。

「ほとんど仕掛けていましたけど、もうちょっと周りも使って、マークを分散させながらできればよかった。味方とのコンビネーションは時間をかければ徐々に良くなっていくので、僕をもっともっと知ってもらい、逆に僕も生かされるようにしたい」

 川崎とユニオン・サンジロワーズで先発に定着する出発点となった、ゴールに絡む仕事を代表でも演じた三笘を、今夏の東京五輪でも共闘したキャプテンのDF吉田麻也は「1対1で打開できる選手が出て来ないといけない、とずっと思っていた」と歓迎する。

「これからは対戦相手も情報をインプットしてマークされるけど、(次に会う時は)もっと良い選手になっているでしょう。それだけのポテンシャルを秘めているので」