生前贈与#13Photo:PIXTA

毎年こつこつと子や孫に生前贈与していたつもりが、名義預金だった――。こんな失敗をした場合、取り返しはつかないのだろうか。特集『生前贈与 駆け込み相続術』(全19回)の#13では、今からできるやり直し術を紹介する。(ダイヤモンド編集部 編集委員 名古屋和希)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月18日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

再度振り込みで名義預金を解消
「やり直し」で税務署トラブルを回避

「再度、子や孫が日常的に使っている預貯金口座に振り込むとよい」

 税理士法人弓家田・富山事務所の弓家田良彦代表社員はそうアドバイスする。

 名義預金を解消するには、子や孫の給与口座などに直接振り込み、生前贈与をする親の手から資金を完全に離さなければならない。

 ただし、この手法の場合、過去に親が贈与だと考えて実行してきた子や孫への振り込みは贈与とは見なされない。いわばリスタートである。

 とはいえ、正しい方法でやり直すことによって、税務署とのトラブルは回避できることになる。まさに最善策といえる。

 最初からやり直す事態を避けるための手法も実はある。贈与の実務に詳しい税理士が明かすのはある「裏技」の存在だ。