相続に詳しい税理士たちの見立てを総合すると、相続発生前に行われた一定期間の生前贈与を相続税の課税対象にする仕組みに変更されると目されている。

 もちろん現行制度でも、相続発生時からさかのぼって「3年以内」の生前贈与を相続税の課税対象にするルールがある。しかし、近い将来、この期間を海外並みの10~15年以内に延長する可能性が取りざたされる。また22年税制改正大綱でも強調されたように、1人当たり年110万円の非課税枠を利用する「暦年贈与」の撤廃も公算大だ。

 そして、この状況を背景に人々に広がっているのが、生前贈与がダメになる前の「駆け込み贈与」だ。

 税理士法人レガシィの天野隆代表社員税理士は「今後、どんな方向性が示されようと生前贈与はやっておいて損はない。駆け込みを検討してもいいだろう」と話す。

 無論、改正の内容次第では駆け込み贈与の効果が無駄骨になることもあり得る。改正前の生前贈与にまでも課税対象にするような仕組みになった場合だ。だが、そこまで踏み込む可能性は低いとみられており、仮にそうなっても天野氏の言うように損はない。わずかでも相続税の課税が予見できる人は、できるだけ早い段階から生前贈与を検討した方がいいだろう。