成し遂げたいことがあるなら、大企業をハックしまくろう!
三越伊勢丹ホールディングス 経営戦略統括部 事業企画推進部・部長
1979年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。2002年伊勢丹(現三越伊勢丹)に入社し、仕入れ・陳列・販売・CRM・人的管理・企画・店作り等百貨店のマーチャンダイジング業務全般を経験。2019年より2年間三越伊勢丹グループのマーチャンダイジング企画部長。現職は三越伊勢丹ホールディングス兼三越伊勢丹の事業企画推進部長、コーポレートベンチャーキャピタルである三越伊勢丹イノベーションズの代表取締役社長として、既存事業の構造改革及び新規事業創出を担当。
吉田 最後に、この本、あるいはこのセッションを振り返って、大企業をハックする意義やこの時代における意味合いなど、何かコメントをいただけますでしょうか。
入山 今日皆さんと話していて、それこそ、3割集めないでひとりでやればいいとか、まず行動だとか、さすがONE JAPANメンバーだけあって、共感するところがたくさんありました。
会社にとって一番いい状態って、社員がこの会社に「いてやってる」っていう状態なんです。つまり、いつ辞めてもいいですよ、なんなら気に食わないことがあればベンチャーに行きますと。だけど、いまはこの企業にいることが自分には面白いんだと、自分の作りたい未来のためにはこの企業のリソースが使えて、かつビジョンがすごく共感できる。だからここにいてやってるんだっていう状態が一番いいんです。
だから、企業をハックしまくって、それですごく抵抗にあってここはハックできないと思ったら、辞めればいいわけですね。ここにいる6人なんかはそういう感覚を持っているのかなと思っていますし、こういう人がもっともっと増えてくると、実は大企業のほうがリソースがあるので、ベンチャーより変革を起こせるはずなんですよね。
なので、皆さんぜひハックしまくって、「俺は、私はこの会社にいてやってるんだ」っていう感じでやっていただければいいんじゃないかなと思います。
吉田:ありがとうございます。『大企業ハック大全』という本を書きましたが、大企業を変えることは本当は目的じゃないんですよね。それすらも手段であって、それによって何か成したいこととか、動かしたい社会があるから、大企業という装置を使ってやろうと思ってここにいるわけですから。それでは最後に、他の皆さんからも感想を伺えたらと思います。
伊藤:毎回ONE JAPAN カンファレンスに行くたびに、入山さんのコメントを聞いて「そうそう、これを聞きに来ているんだ」と思っていたのですが、これまで1リスナーとして聞いていたのが、今日は一緒に登壇させていただけて、これはもうアクションあるべしというふうに思いました。
遠山:波を立てるのが目的になるんじゃなくて、みんなでいい波を立てて、そこに気持ちよくビッグウェーブに乗っていくみたいなことをやっていけたらいいなと思います。
松葉:皆さんのお話を聞きながら、やっぱり周りにはすごい人がいっぱいいるんだなっていうのを改めて感じました。ただ、叩かれすぎると疲れてしまうので、緩急をつけてがんばるところとちょっと休むところを作りながらやっていくのがいいのかなと思いました。
額田:この本を読んで、その背景にある人となりとか考え方っていうのも新鮮でしたし、オーディエンスの皆さんのQ&Aとかも拝聴していてとても今の時代を表しているなっていうふうに勉強になりましたので、毎日これからもがんばっていきたいと思います。本当によい機会をありがとうございました。
寺﨑:私も本を読ませていただきましたし、今日皆さんと話をして、ハックって「何かやりきる」ってことなんだなと改めて思いましたし、各社でやりきろうともがいている人たちの傷跡がここにたくさん載っているんだな、と思いました。やりきれば、自分の“彼氏”を愛しきれるかもしれないですし、サッと次にいけるかもしれないですし、とにかくやりきることを皆さんと一緒にできればいいなというふうに思いました。
吉田:まだまだ話し足りない感じも皆さん残っていると思いますが、お時間になりましたので、こちらのセッションは以上で終了としたいと思います。皆さん、ありがとうございました。