コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は任天堂、ネクソンなどの「ゲーム」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
任天堂は2割超の減収
カプコンは増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゲーム業界5社。対象期間は21年7~9月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・任天堂
増収率:マイナス26.7%(四半期の売上高3016億円)
・ネクソン
増収率:マイナス4.4%(四半期の売上収益759億円)
・バンダイナムコホールディングス
増収率:12.2%(四半期の売上高2156億円)
・カプコン
増収率:17.6%(四半期の売上高216億円)
・スクウェア・エニックス・ホールディングス
増収率:マイナス6.3%(四半期の売上高803億円)
※任天堂、バンダイナムコホールディングス、カプコン、スクウェア・エニックス・ホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
ゲーム業界の5社はバンダイナムコホールディングス、カプコンが前年同期比増収。他の3社は減収となった。
任天堂は前年同期比2割超の減収となっている。この要因は何だったのか。次ページ以降では、時系列データを踏まえて詳しく解説する。