大手損害保険グループのSOMPOグループが、各事業会社のトップ人事を発表。中でも、中核会社である損害保険ジャパンの社長に就任する白川儀一常務執行役員は1993年入社の51歳で、入社年で役員37人を抜く大抜擢(ばってき)人事として、社内では驚きをもって受け止められている。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
SOMPO櫻田謙悟社長が会長へ
大本命の奥村幹夫専務が後任に
損害保険大手のSOMPOホールディングス(HD)が、2022年4月1日付けの首脳人事を発表。櫻田謙悟HD社長グループCEO(最高経営責任者)はHD会長グループCEOに就き、奥村幹夫HD専務グループCSO(最高戦略責任者、共同)が、社長グループCOO(最高執行責任者)に昇格する。
SOMPOグループはこの5~6年、国内・海外の損保事業と国内生保事業に加えて介護事業へ進出し、東京海上グループやMS&ADとは違った形で事業領域を拡大。櫻田氏はグループCEOとして、これらの広範な事業領域を、経済同友会の代表幹事を務めながら引っ張ってきた。
22年4月以降は、これらSOMPOグループの事業の執行責任を奥村氏が担う。選任については指名委員会が行なったが、櫻田氏が指名委員会に奥村氏を後任として提案したことから、実質的に櫻田氏が後継者としてその実力を認めたと取るのが自然だろう。
実際、櫻田氏は記者会見の席上、「国内、海外、介護シニアなどで経営企画部長、直近ではSOMPOインターナショナルのCEOも経験するなど、これまで極めて難易度の高い要職を担い、いずれも高い実績を上げた」との奥村評を披露してみせた。
社内でもポスト櫻田人事は、「特に驚きはなかった。順当なトップ人事」(複数の損保ジャパン幹部)と見る向きが多い。「櫻田さんの肝いりで参入した介護事業を黒字化させたのは奥村さん」(別の損保ジャパン幹部)という功績は、誰もが知っているからだ。
一方で、中核会社である損害保険ジャパンのトップ人事は、損保ジャパン内に少なからず衝撃を与えたようだ。西澤敬二社長に代わって就任する白川儀一取締役常務執行役員は51歳で、入社年で役員37人を抜く大抜擢だったのだ。