三菱商事の新社長が近く決まる見通しだ。現職の垣内威彦社長は2022年4月で任期丸6年を迎え、退任が濃厚。垣内氏自身が「常に考えている」と言う後継者は一体誰か。最終盤に突入した後継レースに、ある異変が生じている。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
取締役会で近く新社長決定か
最終局面に入った垣内社長の後継指名
「社長になったときから『次の社長はどういう人がいいか』ということは考えている。後継社長のことが頭の中にあるのかと言われれば、当然ずっとあるということです。慣例のケースで申し上げると、(社長交代の)可能性は十分ある」
11月下旬、後継者について尋ねたダイヤモンド編集部の単独インタビューに対し、三菱商事の垣内威彦社長はそう述べた。具体的な名前こそ「何もお答えできない」とけむに巻いたが、自身の社長交代の可能性を改めて言明した以上、人選の絞り込みが最終局面に入ったのは間違いない。
垣内社長が言う「慣例」とは、三菱商事の社長任期のことだ。三菱商事は1954年の設立以来、社長在任中に死去した近藤健男氏らを除き、ほぼ6年間の任期を守り続けている。垣内氏は2022年4月で社長就任から丸6年を迎える。
では、後任人事は「いつ」発表されるか。垣内氏の社長就任が取締役会で決議されたのは15年12月の第3金曜日である18日だ。それに該当する日は、今月17日。新社長決定の日は近い。
そして最大の関心事は「誰が」次の社長に就くかだ。
取材を進めると、最終盤を迎えた後継レースで「大逆転劇」が起きそうな気配が強まっていることが分かった。
次ページからその詳細を明らかにする。