エレベーターホールの前で笑顔を振りまき、生命保険の契約獲得に向けて日々まい進する生保レディーたち。明治安田生命保険の固定的給与をはじめ、各生保は生保レディーの処遇改善を進めている。そうした動きについて、彼女たちは何を思うのか。特集『保険の裏 営業の闇』(全21回)の#8では、大手4社の生保レディーたちに本音を聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
第一生命の金銭不祥事で
動きだした生保レディー改革
「寝た子を起こす」とは、このことだろう。
2020年10月に、第一生命保険の元営業職員(生保レディー)が山口県周南市を舞台に、顧客から19億円超に及ぶ金銭を詐取していた事件が発覚。これをきっかけに生命保険会社と、各社が管理する生保レディーに、社会からの不信の念が高まった。
生保レディーは、大手生保を中心とした主要な営業チャネル。その数は最盛期より半減したとはいえ、いまだ生保全体で20万人を超える。ただし、ターンオーバー(大量採用・大量退職)の問題や、契約獲得のために顧客ニーズを度外視した営業が行われるケースも散見されるなど、生保各社にとって給与制度や営業・管理手法は、積年の課題となっている。
第一の事件について生保各社の首脳は、「特異な事例」と口をそろえる。だが、世間からの不信の高まりに、各社は思い切った改革へ踏み出さざるを得なくなっている。果たして、生保各社が行おうとしている改革によって、積年の課題は解決できるのか。以下で、検証していこう。