コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のラーメン・カレー・定食編だ。
いきなり!ステーキ「いきなり値上げ」の裏にあった
見かけ以上の瀬戸際感
ラーメン・カレー・定食の主要5社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯いきなり!ステーキ(ペッパーフードサービス)の既存店売上高
7月度:前年同月比81.2%(18.8%減)
8月度:同79.9%(20.1%減)
9月度:同76.3%(23.7%減)
◯餃子の王将(王将フードサービス)の既存店売上高
7月度:前年同月比104.6%(4.6%増)
8月度:同91.4%(8.6%減)
9月度:同90.6%(9.4%減)
◯大戸屋(大戸屋ホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
7月度:前年同月比102.2%(2.2%増)
8月度:同93.5%(6.5%減)
9月度:同92.2%(7.8%減)
◯日高屋(ハイデイ日高)の既存店売上高
7月度:前年同月比74.2%(25.8%減)
8月度:同62.6%(37.4%減)
9月度:同62.2%(37.8%減)
◯CoCo壱番屋(壱番屋)の既存店売上高
7月度:前年同月比96.0%(4.0%減)
8月度:同89.0%(11.0%減)
9月度:同88.8%(11.2%減)
9月度の実績を見ると、残念ながら前年実績超えをした企業は一つも無かった。依然としてコロナ禍の影響は大きい。比較的ダメージが少ない企業に注目すると、餃子の王将と大戸屋が共に前年比90%を超えている。しかし、2社の間には大きな格差がある。
餃子の王将と大戸屋では「価値の重み」が違うのだ。
さらに、12月1日にその日から値上げをするとホームページ上で告知して「いきなり値上げ騒動」を巻き起こしたいきなり!ステーキが、数値の見かけ以上に厳しい局面に立たされていることも分かった。3社を取り巻く、数字のカラクリをご紹介しよう。