答えは「無線で他のマグロ船に連絡して、マグロの群れがいる場所の情報交換を行なう」である。

 マグロ船同士で頻繁に情報交換し合っているとは意外だが、海の上では「持ちつ持たれつ」の精神で助け合うのが普通なのだ。中には情報交換をしない漁船やわざと偽情報を流す漁船もあるようだ。しかし、結局は他の漁船から情報がもらえず漁獲量は減ってしまう。「助け合えば天国、いがみ合えば地獄」である。

【必読ポイント!】
◆一流の人の成功の秘訣
◇どんな相手も虜にする魔法

 ロック界のカリスマ矢沢永吉が、クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦とプロモーションビデオの打ち合わせをしたときのエピソードを紹介する。打ち合わせ時間のほとんどを1人でしゃべってしまった永ちゃんは、最後に一言謝りこう言った。今、頭の中に浮かんできたアイデアを家に帰ってメモして、次に会うときに持ってきてほしいと。「そうしたら……」。このあと永ちゃんは何と言ったのだろうか。

 答えは「矢沢は、そのメモを見ないでオッケーします」だ。

 相手をプロと信頼して任せきり、そのアウトプットには一切文句をつけない。これぞ「人たらし」の究極の言葉ではないだろうか。

 このあと箭内は企画を永ちゃんに持っていく。すると「箭内さんすみません。この企画、矢沢まったく理解できません」という。焦る箭内に向かって言葉を続ける永ちゃん。「わからないから、(その企画)矢沢にやらせてください。わかることはやりたくない」。

 一流の人は相手をやる気にさせるツボを心得ている。

◇未来の希望に目を向ける

 黒柳徹子さんの著書『窓ぎわのトットちゃん』は、終戦の直前まで現在の自由が丘に存在したトモエ学園が舞台となっている。教育者の小林宗作が理想の教育理念を実践したトモエ学園は、物語の最後でB29からの焼夷弾で焼け落ちてしまう。燃え上がる校舎を見ながら小林校長が息子にかけた言葉とは何だったのか。