
今のマンション売買相場の実情を誰よりもよく知るマンションインフルエンサーたちが、カオス相場の裏と今後を語り尽くす座談会。特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の#15は、売買座談会中編としてタワマンの相場を乱す「転売問題」についてメンバーたちが語り尽くす。何か対策が取られることはないのか?(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo
マンションインフルエンサー、マンションアナリスト
●稲垣ヨシクニ @inagaki_kizuna
都心マンションソムリエ
●中央区上落合 @Kamiochiai_Chuo
不動産業界とは無関係な素人。3000万~6000万円台のマンションが主戦場
●芝崎健一 @shibasan_towerz
タワーマンション専門TOWERZ取締役 YouTube「芝塾タワマン不動産」運営
●デベマン
マンションデベロッパーの中の人。開発担当
「素人タワマン転がし」「業者参入」……。
転売が価格高騰にかなり加担してる
――今回はタワマンの転売問題についてです。相場のかく乱要因になってしまっていますよね。
のらえもん(のら) ワールドタワーレジデンス、ブリリアタワー堂島も引き渡し後に転売住戸が次々出現しましたね。タワマンを買えばもうかると考える「素人タワマン転がし」が値段をより高騰させてますね。従来の保有して賃貸で運用するオーソドックスな不動産投資よりも、タワマン転売の方が実際にもうかる。
稲垣 業者参入が増えましたね。一般ルートで買っても時間がたてば高くなるので、買い取り再販業者以外の事業会社が入ってます。こういう会社は利益を乗っけて売らないとならないので、相場は上がる。
デベマン 転売対策しなきゃ、っていうのは晴海フラッグの頃からよく言われてきましたけど、僕らは基本的に「笛」がなるまでは自らルールは作らないですよね。
都心での開発にはタワマンや、建て替え案件で都心共同住宅供給事業・優良建築物等整備事業などに補助金が使われているケースもありますが、こういうのは近隣のマーケット価格を著しく上回らないようにして供給するという制限があります。ただこれ、直近の鑑定価格を持ってきて「これが相場だね」と行政と協議しながら決めるので、相場が一昔前の鑑定数字をどんどん超えていくと追い付かなくなる。
稲垣 さすがに転売はそろそろ規制が入るんじゃないかな。転売住戸は契約まではできるんですが、転売先の次の人がまた契約しても、その人が代金決済をしないと売れない。超高級物件で1次取得者が無限に管理費修繕積立金を連帯保証する物件もあるとかないとかうわさを聞いたこともあります。
――芝崎さん、大阪のタワマンの転売がすごいというお話でしたが、もう少し詳しくお願いしてよいですか?あと、こうした転売対策というのはデベロッパーまたは行政側からなんらかされる動きはないんでしょうか?