部活は学校でやるべきか?日本に地域総合型スポーツクラブが不可欠な理由「FC市川GUNNERS」代表でサッカー・コンサルタントの幸野健一氏

サッカー専用の人工芝グランドを所有し、イングランドのアーセナルFCの公式スクールとして活動していたクラブ「FC市川GUNNERS」代表の幸野健一氏。現在の会員数は約400人。サッカーだけでなく総合型を視野に入れたスポーツクラブである。幸野氏は、サッカー・コンサルタントとして活動しており、小学5年生年代の全国リーグであるプレミアリーグU-11の実行委員長も兼ねている。スポーツの捉え方を考える本連載では第1回2回3回に続き、地域総合スポーツクラブのあり方について幸野氏に聞いた。(取材・文/上沼祐樹)

クラブハウス設立から
地域スポーツ定着へ

 ブラック部活という言葉が一般化されつつありますが、この課題をクリアするために、外部指導員が部活動を率いるなど、スポーツ庁の旗振りで変革が始まっています。部活動を外に出す仕組みですね。そこには地域総合型スポーツクラブが必要だったりします。

 FC市川GUNNERSの施設に隣接する北市川スポーツパークを拠点として活動する北市川スポーツクラブもそのひとつで、テニスコートが12面備わっています。今後、近隣の中学校テニス部の活動がここで実施される話があります。学校の部活動を地域の総合型スポーツクラブで実施するんですね。

 ここでは先輩後輩という縦の序列はなくなるでしょうし、楽しむことを追求するので、卒業後も生徒の良好な関係が続くと思います。近所の若者にとっての生涯スポーツの場になれば良いかなと。ここで実例をつくって、部活動は学校でやるべきという閉鎖的な発想を少しずつ変えていきたいですね。

 FC市川GUNNERSが始まったのは、7年前の2014年なんですが、まず施設が必要だと感じました。施設がないと、生涯スポーツの場を作れないと感じたからです。ですので、Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を活用し、最初にサッカーグラウンドとクラブハウスをつくりました。