感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

精神科医が教える<br />「生きがい」の落とし穴イラスト:カツヤマケイコ

「生きがいがすべて」はキケン

きょうのひとことは
「生きがいは自分の外に置いておく」

ちょっと捻った言葉で「えっ、どういうこと?」と思われたかもしれませんね。

自分にとって欠かすことのできない大切な「生きがい」があると思います。

生きがいとは認識していなくても、無意識ながら大切にしていることってあるはずなんです。

生きがいはとても大事ですが、それを自分の中心に据えてしまうのはやめたほうがいいというのが、きょうのお話です。

仕事を生きがいにしている人は多いです。

とくに趣味があるわけでなく、毎日の仕事にやりがいを感じていて、仕事以外にこれといってやることがないような人です。

ある特定の生きがいを自分と一体化させてしまうと、ちょっとキケンなんです。

仕事が生活の中心となって、うまく回っているうちは問題ありません。

しかし、人生は何があるかわかりませんから、何かがあったらもう人生がおしまいだということにもなりかねないわけです。

その生きがいがうまくいかなくなると、その人の安定性が直に脅かされることになりかねないからです。

生きがいややりがいというのは、あくまで外野にある、つまり自分の中ではなく、自分の外にあるものだと意識することが大事です。

もし生きがいとなっている仕事がうまくいかなくても、それはあなたの外にあるものですから、あなた自身は揺るがず存在する。

生きがいというのは本来、そのことをやっていて楽しいことであり、充実していることです。

それが楽しくなくなって、充実感を得られなくなったとしても、それはあなた自身がおしまいになったということではありません。

あなたはあなたの世界の中で生き続いていくのです。

ほかに楽しいことを探すのもいいし、何もなくても、自分は自分であってよいということでもあります。

そういう心持ちで物事に取り組んでいくというのが、すごく大事なんです。

生きがいがあるということは、いいことですけれども、生きがいと自分を一体化させないようにしましょう。

ある生きがいが自分と一体化して、それが全てであるかのようになってしまうと、うまくいかなかったときに自分がとても不安定になりますし、「うまくいかなかったらどうしよう」という不安感も強くなりがちです。

あくまで自分が充実するために、いろんな物事を取捨選択するという柔軟性を備えておくことが大切です。

きょうのひとことは
「生きがいは自分の外に置いておく」
でした。

参考になったかしら?