保険金が下りて相殺されたら
医療費控除の対象にならない?

 医療費控除では、Gさんの保険金が下りた病気治療のほか、歯科、整形外科での治療費もありますし、妻(42)の歯科、婦人科での通院治療費も対象になります。でも、保険金が下りたのはGさんの病気治療費だけ。この治療費に対する医療費の自己負担額は8万円でしたが、保険金がそれよりも多く受け取れたので、その他の歯科などの治療費とも相殺されるとGさんは考えていました。「これで当たり前、仕方がない」というように話すGさんですが、実はこう考えるのは間違いです。

 確かに自己負担した医療費は保険金と相殺されますが、それは保険金の対象となった疾患に対する医療費のみ。それ以外は相殺されません。Gさんの場合、保険金の対象となった8万円の医療費は医療費控除に使えませんが、それ以外の15万円の医療費は、医療費控除の対象となります。このようなところで混乱してしまい、医療費控除を適切に受けられない方もいますから、医療費控除を受けるときには注意したいところです。

 この点を理解し、Gさんは雑損控除と医療費控除の二つを目的に確定申告をすることに。申告をすると、「寄付しすぎ」だったふるさと納税での税控除額が、所得税の控除分、少し増える見込みとなりました。