セブン-イレブンの「お店で揚げたカレーパン」の売れ行きが絶好調だという。この大ヒット、そしてそれを踏み台にさらなるヒット商品を探そうというセブン-イレブンの姿勢には、「中興の祖」である鈴木敏文氏の「イズム」が今も息づいていることがうかがえる。(イトモス研究所所長 小倉健一)
「お店で揚げたカレーパン」
セブン−イレブンでもう食べた?
セブン-イレブンが2021年6月末から一部店舗で販売を開始した「お店で揚げたカレーパン」を食べたことがあるだろうか。
これまでの、パンコーナーに袋入りで売られていたものとは似て非なる、揚げたてカリカリのカレーパン。レジ横にあるフライドチキン「ななチキ」などが並ぶスナックコーナーに置いてある。
筆者は複数の人から「あれ、食べた?」「え、まだ食べてないの?」と評判を聞いて食べてみたところ、あまりのうまさに驚いた。以来、定期的に食べるようになった。会う人、会う人にも薦めている。
そうした消費者が多いようで、売れ行きは絶好調。セブン-イレブンが当初想定した売れ行きの2~3倍近くに達するという。
なぜ、セブン-イレブンは各社が出し、自身も出していたカレーパンという「定番商品の改良」によって、爆発的ヒットを生み出すことができたのだろうか――。