現在、検討されている年金制度改革が実現すれば、あなたが受け取れる年金額が増えることになりそうだ。年金の給付額は幾ら増えるのか。特集『年金 老後不安の真実』(全7回)の#6では、「ねんきん定期便」や日本年金機構の見込み額試算では見えてこない本当の年金受給額を、単身世帯について初試算した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
増加する一方の単身世帯
改革で受給額はどうなる
38.1%。これは2020年の国勢調査における全世帯に占める単身世帯の比率だ。実数は2115万1042世帯だ。05年時点では29.5%、1445万7083世帯だった。実数は約1.5倍に増えている。
また、50歳での未婚率は15年時点で男性が20.9%、女性が12.0%。2000年時点と比べてそれぞれ10.6ポイント、6.7ポイント上昇している。
これらのデータから見ても、高齢化が加速する今後、高齢の単身世帯が増加してくのは確実だ。
現在、検討されている年金改革が実現すれば単身者世帯の世帯にも将来受け取る年金額が増加する世代が出てくる。
それはねんきん定期便や日本年金機構の見込み額試算に示された受給額では分からない。そこに書かれているのは実際の将来の受取額ではなく、現時点の算出基準によるものだからだ。
受給開始日までの名目賃金上昇率や物価上昇率の変動、マクロ経済スライドによる給付抑制が反映されているわけではない。
そこで、19年の財政検証で最も現実的なケースである「ケースV」を前提に、上記の変動要素を織り込んだ本当にもらえる真の年金額を試算した。
では、幾ら増えるのか。次ページ以降で単身世帯について解説する。