年金大改正#1Photo:PIXTA

年金法が大改正される。短時間労働者、いわゆるパートの人への厚生年金加入を義務付ける企業規模が引き下げられるほか、70歳にまでしか繰り下げられなかった年金の受け取り開始年齢を、75歳まで繰り下げることができるようになる。さらに65歳以降に働いてもすぐには増えなかった年金受給額が毎年増える仕組みも導入される。特集『年金大改正 損をさせない活用術』(全4回)の#1では、損をしないため、知っておきたい年金法改正の主な注意点を徹底解説する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

厚生年金加入義務付けの従業員数基準
500人超から50人超に引き下げ

 年金は制度破綻しているので、保険料を支払っても損するだけ――。年金に対してそんなネガティブな考えを持っている人は少なくない。一方で、適用範囲が拡大されたり、選択肢が増えたり、新たな仕組みが導入されたりと、日本の年金制度がアップデートされていることも事実だ。そして今、年金法大改正が目前に迫っている。これを知らないままでは、場合によっては大損しかねない。

 2022年4月から年金法ががらりと変わる。加入対象や受け取り方など、われわれにとって身近な部分が大きく変わるのだ。損をしないように老後のプランを立てていく上で、今回の改正のポイントを把握しておくことは必須である。

 改正法の主なポイントは五つある。