ただし、米国株だけに投資するのではなく、先進国の代表的な銘柄に投資していることは好ましい。S&P500種株価指数のインデックスファンドと比較すると、分散投資の点ではS&P500のファンドが優位だ。一方、米国株以外にも分散投資の範囲が広がっている点はSOMPO123の方が勝るので、優劣は微妙だ。手数料水準が同じなら、筆者は微差でSOMPO123を採る。

 また、現時点での「テスラ除外」といった運用会社の判断を見ることができる点を「面白い」と感じる人もいるだろう。

 総合的に見て、十分魅力的な商品である。

 一方、インデックスファンドの場合、過去のリターンの振る舞いを株価指数のデータを見ることで検討しやすいといった点や、基準価額を見なくても株価指数を見ていると自分が持つファンドの大まかな状態が分かるといった長所がある。

 一般向けという意味では、現時点では、インデックスファンドを勧める方がいいのだろう(しかし、「微差」だ!)。

 また、リスクとリターンの特性を考えると、ファンド1本だけを保有するなら、日本株も含む全世界株式のファンドの方がやや好ましい。現在、日本株が世界株に占めるウェイトは6%を下回るが、リスクは日本株を含むファンドの方が幾分小さくなる点を評価したい。

アクティブ運用安売りの可否
他の商品とどう区別するのか?

 SOMPO123の最も斬新な点は、アクティブ運用を安売りしていることだ。

 運用者の判断が加わったアクティブファンドは、いわば「ブランド商品」だ。ブランドの価値を保つためには、ブランド商品は安売りしてはいけないということが、いわばマーケティングの定石の一つである。それを踏まえると、SOMPOアセットマネジメントが、この商品と他のアクティブ運用商品をどのように区別しようとしているのか、ビジネス的には興味深い。