当社では、「授業をすることでお金をいただく」のではなく、「成績を上げることでお金をいただく」という姿勢を貫いています。学習塾というと、社員は売上や利益、または名門進学校の合格率で評価が左右されるケースもめずらしくはないというイメージがあるかもしれません。しかし当社では、「成績が上がること」を最大の評価基準としています。ひと握りのトップクラスの生徒と有名進学校への合格率を確保しつつ、あとは通ってもらうだけの“お客さん”を大勢抱える社員ほど給料が上がるというような構造は一切ありません。
オンリーワン、ナンバーワンを実現するべく、誠実で科学的なアプローチを行い、差別化された教育コンテンツやサービスの開発を行っています。また、オペレーションコントロールなどの理論をもとにして、結果の出る効率的な学習機会の提供を実践しています。そして、業界を変え、イメージを変えるために、現状の問題点ひとつひとつに誠実に向き合い、地道に検証を重ね、愚直に改善を続けてきました。これからも付加価値を高める活動を一歩一歩積み上げ、ナンバーワンの総合教育カンパニーを目指していきたいと考えています。
40000件を超える改善提案と
4000件以上の実施
スプリックスでは、創業当初から対面指導の塾を運営してきましたが、同時に成績や定期テスト問題のデータ分析、そして教材開発などを行うため、テクノロジーに投資し続けてきました。保護者と生徒のニーズに真正面から向き合い、それに応える質の高いサービスをつくろうとするとき、外注するのと自前で行えるのとではスピード感も完成度も異なると考えてきたためです。コロナ禍に2か月という短期間で開校に至った「そら塾」がその好例ですが、実は創業以来スプリックスが教育事業で続けてきた改善活動があったからこそ実現したと考えています。
スプリックスの改善は大きく二つの方向から行われています。ひとつ目の改善は、データや行動の分析です。例えばそら塾では、講師が授業をしている様子を録画することで、問題に対する説明の内容、表情、声量に至るまでデータ化を行っています。これらのデータを生徒の成績と照らし合わせながら、よりよい改善を行い指導方法を洗練させています。
簡単な例を挙げれば、講師が生徒を褒める回数と、生徒の集中力が比例していたことが分かるとします。すると、すぐに指導方法の改善を行い、褒める回数を1回から2回に増やしたり、授業開始の前に前回の学習についてひと言褒める言葉を追加するなど講師に指示を出すわけです。それと同時に、システム上でも講師が褒めるタイミングが分かりやすいよう、タブレットに褒めるタイミングで何らかのアイコンを表示するなど変更を加えていきます。
もしこれが外注で行われていた場合、データの分析、検証、変更、ブラッシュアップのやり取りをいちいち外部と行わなければならず、また細かいニュアンスが伝わりにくく、やり取りの回数が増えるなどして、スピード感と完成度が満足いくものになりにくいはずです。
ふたつ目の改善は、現場の声の反映です。スプリックスでは、全社員が毎週5つを上限として、教材や教え方、そして働く環境などに関する改善案を提出しています。その数は、年間でおよそ4万2000件にも及びます。当社ではこれを、社長および幹部メンバーがすべてチェックして内容を精査し、大小さまざまですが毎年4000件以上にのぼる改善を教材やオペレーションなどに反映しています。
マーケットイン思考で顧客のニーズに瞬時に対応ができるのは、このような改善が当たり前の風土としてあるためなのです。