顧客ニーズに愚直に向き合う文化が質とスピードを両立したサービスを生む

日本最大級の個別指導塾「森塾」、第3回日本サービス大賞で経済産業大臣賞を受賞した自立学習塾「RED」、教室数国内No.1のプログラミングスクール「QUREOプログラミング教室」、学習塾の授業・運営を包括的にサポートする「フォレスタ シリーズ」、塾講師専門の求人情報「塾講師JAPAN」…。教育に関連する様々な事業で業界をリードしながら、さらなる進化を続ける総合教育カンパニー、スプリックス。
同業他社の追随を許さないサービス展開とその経営戦略に注目が集まる中、同社代表取締役社長の常石博之氏がこのほど書籍『成し遂げる力 ニーズからすべてを始める 総合教育企業スプリックスのNo.1ブランド戦略』を上梓した。刊行を記念して、同書から一部を抜粋して公開します。
連載全3回の第1回で紹介するのは、コロナ禍で対面の授業が困難になる状況で、スプリックスが手掛けた新サービスと、それを可能にした同社の文化です。

コロナ禍で一変した
子どもたちの学びの環境

 2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、全国で学校休校が相次ぎ、子どもたちの日常も大きく変化しました。世界中の誰もが経験したことのない非常事態の中で、子どもたちにとって当たり前だった“学校に行く”という機会が奪われ、懸念されたのが学力低下の問題です。

 日本財団・三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、コロナ以前の2019年における世帯年収別勉強時間(学校のある平均的な平日)では、いずれの世帯年収区分でも2020年5月には総勉強時間が減少していることが明らかになりました。ところが、世帯年収800万円以上の世帯では、2020年1月から5月にかけての総勉強時間の減少幅が小さく、また世帯年収800万円以上の世帯では、2020年1月から2020年5月にかけての学校外勉強時間の増加幅が大きくなっていることも分かっています(図)。

顧客ニーズに愚直に向き合う文化が質とスピードを両立したサービスを生む図 世帯年収別の勉強時間(1日あたり)の推移
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 これはつまり、コロナ以降、世帯年収の高い世帯は低い世帯と比較して、休校等による勉強時間の損失を取り戻すため、学校外の教育投資を行っている可能性が示唆されるということです。コロナ禍による学習環境の変化は、教育格差の拡大にも影響を及ぼしていることが見て取れます。