大学院といえば縁遠い存在だが、それも昔の話。いまや高卒や専門学校卒、短大卒など非大卒の人々にも門戸が開かれている。いわば大学院卒に「ワープ」できるわけだ。特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の#7では、非大卒の受け入れに寛容な名門大学大学院を紹介しよう。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
有名タレントも続々ワープ
最終学歴を「高卒から大学院卒」に
一般に大学院といえば縁遠い存在であり、かつハードルが高いという印象があるだろう。ましてや高等学校は卒業したものの大学を卒業していなければ、その傾向はより強いに違いない。
そうした中で、ふと疑問に思うことはないだろうか。若い頃から芸能界やスポーツ界で活躍し、高校しか卒業していない有名人が、大学院に入学・卒業したとの報道に接するときだ。例えば、以下の通り。
元プロ野球選手の桑田真澄氏:PL学園高校卒→早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
芸能人のロンドンブーツ1号2号の田村淳氏:山口県立下関中央工業高校卒→慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
芸能人の菊池桃子氏:戸板女子短期大学卒→法政大学大学院政策創造研究科
安倍晋三元総理の妻の安倍昭恵氏:聖心女子専門学校卒→立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科
有名人だから特別だろうと考える人が多いが、「そうではありません」と言うのは、数多くの大学院への入学者を輩出している大学受験予備校、中央ゼミナール名物講師の赤田達也氏だ。
実は、「1990年に文部省(現文部科学省)が大学院の拡充政策を打ち出して以降、大学院は変わりました」と赤田氏。現在の大学院は、学者を養成するためだけの目的から、高度な知識や教養を持った人材を育成する機関へと様変わりし、多様な人材を受け入れるようになったという。
加えて、近年、学校教育法が改定され、高卒や専門学校卒、短期大学卒、大学中退などの非大卒者たちにも、大学院の門戸が開かれている。
故に、大学卒のパスポートがなくても、いきなり大学院に「ワープ」できるというわけだ。
とはいえ、大学院に入学するにはしっかりとした準備が必要なのは言うまでもない。
次ページ以降では、非大卒でも大学院を受験できるルート&方法を難易度別に開陳。さらに、高卒であっても受け入れに寛容な有名大学院を紹介しよう。大学入試では超難関校と知られる大学の大学院も多数あるから驚きだ。