学び直し“裏技”大全#5Photo:123RF

コロナ禍で社会人からの人気が再燃しているMBA。入試倍率が過去最高となったビジネススクールも少なくない。だが、直近入試では、人気の早稲田大学をはじめ異変が起きている。特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の#5では、その最新入試事情に迫る。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

MBA人気のけん引役は中堅社会人
コロナ禍による雇用不安が理由?

 近年、“コロナ特需”によって、人気が高まっているとされるMBA。

 2020年度の入試(21年4月入学)では、目下の人気をけん引する社会人受験者が多い夜間制の入試倍率を見ると、一橋大学大学院経営管理研究科経営管理専攻と、早稲田の同研究科(夜間主総合)がいずれも4倍を超え、一橋の併願校として人気の東京都立大学大学院経営学研究科経営学プログラムの倍率も上昇に転じるなど、軒並み難化した。

 多くの社会人がMBAを求める理由は、20代後半~30代前半の若手社会人の場合、リモートワークによる時間的余裕を活用したスキルアップのため。そして、特に受験者が増えている30代後半~40代の中堅社会人の場合は、「コロナ禍による勤め先の経営環境の悪化や雇用不安が多い」(同)と、大学院受験予備校、河合塾KALSの鄭龍権講師は言う。

 この人気は直近の21年度入試も同じで、依然として厳しい競争になっている。最終倍率が判明している一橋の秋入試の結果を見ても、前出の経営管理専攻は5倍超、平均倍率も5倍に迫る勢いだ。

 注目すべきは、この21年度入試において、やはりコロナ禍を原因に、人気の早慶を中心に大きな波乱が起きていることだ。結果、とりわけ早稲田においてその合否が読みづらくなっているという。

 次ページでは、その最新倍率と共に最新MBA入試を巡る波乱を詳述しよう。その上で、学究(理論)を学びたいのか、実践を学びたいのか、はたまた人脈づくりを重視するのか、といった自分の目的に合わせたビジネススクールの後悔しない選び方を見る。