大学#1Photo:123RF

コロナ禍は大学の学部入試にとどまらず大学院入試にも変化をもたらしている。コロナ不況を避けるための学部生の進学や、テレワークに伴う社会人のスキルアップ、そして、入試そのものの易化が原因だ。特集『入試・就職・序列 大学』(全23回)の#1では、「学歴ロンダリング」にピッタリな、入りやすくておトクな大学院リストの東日本編(西日本編は6月28日〈月〉配信予定)を紹介する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

コロナ禍で入試が易化
志望者数も増加観測

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、劇変したといわれる大学入試。それは、学部だけにとどまらず、大学院入試にも起きているようだ。

「コロナ禍による就職難で、現在の大学4年生の少なくない数が、3年次の秋~冬に、就職希望から大学院進学希望に進路を変えている」――。

 そう指摘するのは、日本で初めて大学院入試対策講座を始めた大学受験予備校、中央ゼミナール(東京都杉並区)の講師で、『「学歴ロンダリング」実践マニュアル』(オクムラ書店)の著者、赤田達也氏だ。

 コロナ禍の影響がほとんどなかった2020年度の修士課程全体の受験状況を見ると、志願者数こそ過去5年で最多だったものの、入学者数は7万1954人と過去5年で最少となった。しかし、従来、不況になると大学院進学者が増えるとされ、今回のコロナ禍でも、志願者数だけでなく入学者の数も増加に転じるのではないかという観測だ。

 実際、受験者は社会人中心ではあるものの、主なビジネススクールの20年度入試(今年4月入学)では、ほぼ軒並み入試倍率が急上昇を見せている(6月29日〈火〉配信予定の本特集#15『慶應、一橋…ビジネススクールの後悔しない選び方、社会人MBA志望者が急増中!』参照)。

 また、コロナ禍は受験動向のみならず、大学院の入試にも異変をもたらしている。

 かつて、大学院の入試科目といえば、2カ国語の和訳、専門科目、面接と、「研究者の卵」に課するにふさわしい筆記試験中心で行われることが通常だった。だが、現在は名門大学の大学院であっても、面接のみか、小論文と面接、TOEICなど英語資格試験の提出と面接のみといったように、良く言えば多様化、意地悪く言えば易化が進んでいる。

 その背景とは何か。次ページから、超名門大学の大学院における受験のハードルが低い研究科や、文系学部出身者でも理系や医学系の研究科に入れるおトクな大学院リストとともに詳しく説明する。