大学#5Photo:123RF

学歴の最高峰、東京大学と京都大学の大学院と聞いて、「お呼びでない」と初めから挑戦を諦める他大学生は少なくない。一面では正しいが、研究科次第で全く別の面が見えてくる。また、格上とされる大学院に進学しても、「就職では学部時代の出身大学で判断される」といわれる。特集『入試・就職・序列 大学』(全23回)の#5では、他大学出身者が多い東大院、京大院の研究科とその主な就職先リストを掲載する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

東大院と京大院で
外部受験しやすいのはどっち?

 本特集#1『東大・MARCH…面接だけで入れる!おトクな大学院、東西26校【東日本編】』で、特に大学院の外部受験を志す場合、他大学出身者が合格しやすい大学院と、そうではないところの見極めが必要だと書いた。より正確に言えば、その入学難易度は、大学全体のスタンスによって、また同じ大学でも研究科によって、さらに同じ研究科でも専攻によって大きく違ってくる。

 詳しくは次ページのリストを見てほしいが、日本の学歴の2トップ、東京大学と京都大学の大学院を例に取ると、総じて東大院の方が京大院に比べて外部受験しやすいのだ。

 その東大院でも、例えば法学政治学研究科における専攻ごとの入学者の内訳を見ると、かつて「研究者養成コース」と呼ばれていた「総合法政専攻」は、大学教員を目指すための専攻だけに内部進学者でがちがちに固められている。片や、ロースクールである「法曹養成専攻」は、7割近くが他大出身者で占められている。

 では、どのような大学院が外部受験生により大きく門戸を開いているのか。答えは、内部進学者が集まりにくいところだ。そのおおまかな傾向を言えば、文理融合型の研究科、学部を持たない独立研究科、キャンパスの立地が悪い研究科といった特徴がある。

 もちろん、こうした外部の大学院、それも出身大学よりも“格上”とされる大学院に入っても、その出口=就職が有利になるわけではないとやゆされがちなのも事実だ。

 だが、「学部時代に突破できなかった就職学歴フィルターを突破できれば、後は本人の実力次第になる。地方の無名私立大から上智大学大学院を経てヤフーに入社した事例や、MARCHから東大院を出て外資系証券、そして高卒からMARCHの大学院に飛び級して一部上場不動産会社に就職など、成功例を数多く見てきた」と、日本初の大学院入試対策講座を開いた中央ゼミナールの赤田達也講師は言う。

 そこで、次ページでは、東大院と京大院の文系(文理融合型)研究科入学者の他大出身者比率リストに加え、そのリストから他大出身者が多い研究科の主な就職先リストを掲載する。外部受験を考える上での判断材料になるはずだ。