学び直し“裏技”大全#9Photo:PIXTA

コロナ禍による雇用や景気への不安から、資格を取得しようと考える人が増えている。片や、資格業界でも、自宅でいつでも受験できるオンライン試験の導入が進んでいる。リモートワークなどで浮いた時間を資格の勉強に使わない手はない。そこで、特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の#9では、800もの資格を持つ資格・勉強コンサルタント、鈴木秀明氏が、比較的手軽に挑戦でき、かつ、今学ぶべき知識・スキルが身に付くことでキャリアアップに役立つ資格を厳選して紹介する。

コロナ禍の今だからこそ
資格取得を目指すチャンス!

 コロナ禍で雇用や景気への不安が募り、自衛のために資格を取得しようと考える人が増えている。

 片や、資格業界の方も2020年以降、従来型のペーパーテストからコンピューター形式、オンライン形式の試験へと移行が急速に進んでいる。

 これまで多くの資格試験は、大学や公共施設などに受験者を集めて一斉に行うタイプが主流で、問題用紙・解答用紙も紙ベースだった。しかし、コロナ禍でこうした形での試験実施が難しくなったため、多くの試験がコンピューター形式(CBT:Computer-Based Testing)に移行しているのだ。

 日本全国に存在するテストセンター(テスト事業者の施設やPCスクールなど)から自由に会場を選び、好きな日時に予約を入れて受験しに行けるという形式や、自宅のPCやスマホからオンライン受験できるという形式の試験がどんどん増えている。

鈴木秀明氏すずき・ひであき/1981年8月4日富山県生まれ。資格・勉強コンサルタント。総合情報サイトAll About「資格」ガイド。東京大学理学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。気象予報士、中小企業診断士、行政書士、証券アナリストなど813の資格を全て独学で取得。雑誌・テレビ・ラジオなどのメディア出演実績は300件以上。著書に『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ダイヤモンド社)、『小学生にもとれる!資格・検定カタログ』(小学館)などがある。

 資格試験のCBT化が進むことにより、受験者にとっては地理的・時間的な自由度が大きく増すというメリットがある。従来は東京・大阪などの大都市にしか試験会場が設定されていなかった試験が日本全国で受験できるようになったり、これまで年に1~2回しか試験日が設けられていなかった試験が年間を通して随時受験可能になったりしているのだ。

 つまり、コロナ禍の影響で「資格を取りやすくなった」という側面も確かにあるわけで、資格を取るなら今がチャンスだともいえるのである。

 リモートワークや外出自粛で、自宅にいる時間・自由に使える時間が増えてきている中、その時間を資格の勉強に使わない手はない。

 そこで次ページから、比較的手軽に目指せて(勉強期間の目安が半年以内)、文系出身でも取れるAI(人工知能)系資格など、今学んでおきたい知識・スキルが身に付き、キャリアアップにも役立つ厳選資格を紹介。それぞれ合格までの勉強期間の目安やお薦め参考書も併せてお伝えする。