社会課題を解決できるビジネスパーソンの育成
「オリイジン」の来訪は平日午後の時間帯だった。カフェテリアやフリーワーキングスペースには、リラックスした雰囲気で友人知人と談笑する学生が目立ち、壁が少ないこともあって、とてもゆったりした空気に満ちていた。勉強は独りで机に向き合うばかりではなく、誰かと共に学ぶものということを再確認した。
桃山学院大学ビジネスデザイン学部は、社会課題を解決できるビジネスパーソンの育成を行い、「クリエイティブ力」「高度なコミュニケーション力」「やり抜く力」という「3つの力」を学生自身が身につけることを目標にしている。
その手段がPBL(Project Based Learning=課題解決型学習)の実践だ。PBLは、文部科学省が推進するアクティブラーニングのひとつで、ビジネスデザイン学部は、あらゆる職種の企業と連携したうえで、企業在籍の社員と学部内の学生が協力し合い、さまざまな課題解決に取り組んでいる。学生はPBLでのグループワークを通じて、ファシリテーションやアサーションスキルを向上させていく。
長引くコロナ禍での就学状況を尋ねると、遠藤さんは学部のスタンスを明確に答えた。
「本学部は実践教育に重点を置き、産業界と連携しながら、チームで新しいビジネスの仕組みをつくることを学ぶ学部です。ビデオ会議システムを使って仕事をすることが当たり前の時代ですから、本学部ではコロナ禍にかかわらず、一定程度のオンライン授業を取り入れる方針としています。そのことをベースに、コロナの感染拡大の状況によってオンライン授業の比重を増減しています。あべのBDLは授業外でのグループワークの場所を提供するため、設計段階で教室外のスペースを広く取り、各階で色や形の違う机や椅子、ソファなどを配置して、ABW(Activity Based Working)の考えに準じたActivity Based Learningを可能にしています。学生はノートパソコン必携で、全館Wi-Fi完備、十分な換気システムを有することもあって、全面遠隔授業の際にも学内施設を利用して学び続けることができています」