“インクルージョン”が生まれるキャンパスで、学生たちが学ぶこと

ダイバーシティ&インクルージョンによって個と集団(チーム)が成長し、新しい価値が創造されることを大学のキャンパスで体感している若者たちがいる。桃山学院大学ビジネスデザイン学部――設置から3年の新しいキャンパスが、“学びとビジネスの交差点”として、学生に最大限の学びを与えているという。今回、「オリイジン」では、“交流と共創”を促す最新のフロア設計で創られた、そのキャンパス(あべのBDL)を訪れ、学生たちがどのような施設でどう学んでいるのかを取材した。(ダイヤモンド・セレクト「オリイジン」編集部)

*本稿は、現在発売中のインクルージョン&ダイバーシティ マガジン 「Oriijin(オリイジン)2020」からの転載記事「ダイバーシティが導く、誰もが働きやすく、誰もが活躍できる社会」に連動する、「オリイジン」オリジナル記事です。

キャンパスは4階から9階までの“吹き抜け構造”

“桃学” “桃大”の略称で知られる桃山学院大学(本部:大阪府和泉市)は、大学設立60周年の2019年4月に、経営学部に「ビジネスデザイン学科」を設置した。一般的に「デザイン」という言葉は、視覚的に表現されたものをイメージしがちだが、「構想」「計画」といった意味もあり、「チームでコミュニケーションを取りながらビジネスの新しい仕組みを創ること」を、同大学では「ビジネスデザイン」と定義している。

 定員が70人だったビジネスデザイン学科は、文部科学省の認可を受けて、昨年2021年4月に「ビジネスデザイン学部*1 」に昇格し、200名の新入学生を受け入れるに至った。また、ビジネスデザイン学科時の一昨年2020年8月までは本町(大阪市中央区)にキャンパスを構えていたが*2 、同年9月に昭和町(大阪市阿倍野区)の新キャンパス「あべのBDL*3 」に移転した。「BDL(ビジネスデザイン・ラボ)」は、「ビジネスデザインを研究・実践する場所」という意味だ。

*1 ホームページ ▶ ビジネスデザイン学部
*2 現在、同キャンパスは「本町サテライト」として、大学全体の就活支援などを行う拠点になっている。
*3 ホームページ ▶ あべのBDL

「あべのBDL」は3路線3駅から徒歩でアクセスできる立地ということもあり、周辺と建物内のにぎやかしさを思い浮かべていたが、そうではなかった。扉ひとつを隔てたチャペル(礼拝堂)の静謐さに襟を正して、エントランスからエレベーターで4階に上がると、まるで、ベンチャー企業の先進的なオフィスを思わせる光景が眼前に広がった。

「あべのBDL」のホームページはこう解説する。

「従来の教場イメージではなく、新たなビジネスを生み出すための学びの空間として、近年、企業等でワーキングスペースとしても取り入れられている、交流と共創を促す最新のフロア設計となっています」

 まず、目を奪われたのは、4階から9階までの吹き抜け構造で、幅と奥行きのある階段でそれぞれのフロアがつながっていたことだ。桃山学院大学・BDLオフィス課長の遠藤浩之さんが説明してくれた。

「吹き抜けによって、4階から9階までが緩やかにつながっているので、明るく非常に開放的になっていることはもちろん、フロアが違ってもお互いの気配を身近に感じながら過ごすことができます。各フロアで分断されることがないので、ビジネスデザイン学部の特徴のひとつである学生と教職員の距離も近くなり、ファミリー的な温かさが新入生にも引き継がれていきます」

スパイラル状の立体的な吹き抜け構造が、ビジネスデザイン学部のキャンパス全体に開放感をもたらしている。