中国人は陽が好き?
陰陽五行説は5元素、アリストテレスの4性質説では4元素が基礎となっています。
しかし、4元素のほうが無理がありません。
方角も季節も、それぞれ4つに分かれます。
ではなぜ中国では5つに分けたのでしょうか。
陰陽五行説ではその必然性を説く理論も存在していますが、5つになった本当の理由は、陰陽の思想にあったのではないかと推測されます。
季節や方角を、4という陰数で考えたくなかったので中央に土を加えた。
要するに中国人は陽が好きだったのです。
そう推測することが、妥当だと思います。
1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、そして9月9日。
この陽が重なる重陽の日は、中国では祭日となっています。
祭りの日という意味では、日本でもほぼ同じです。日本の風俗は、想像以上に中国文化の影響を受けているのです。
『哲学と宗教全史』では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を、出没年付きカラー人物相関図・系図で紹介しました。
僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。
(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)