チームのメンバーは、誰が何をやっているのか、誰とどう自分の仕事が関わっているのかということをそれぞれが明確につかんでいなければなりません。そうしないと、チーム内に不毛な議論や、不要な対立が起こることになります。

 それを排除するためにも、メンバー全員に同じ情報を持たせることです。

 チームの全員が同じ情報を持ち、同じ目的で仕事を進めれば、物事は必然的にシンプルになり、同じ結論(ゴール)に達することができるのです。

「プレイングマネジャー」に
なってはいけない

 私は、「リーダーというのは、プレイングマネジャーであってはならない」と考えています。

 プレイヤーとマネジャーの両方をこなす――。これは、仕事を複雑化させますし、仕事量も膨大になり、精神的にも、肉体的にも大きな負担となります。「とても務まらない……」というプレイングマネジャーの悲鳴をよく聞きますが、実際にそうだと思います。

 プレイヤーとマネジャーの両方をやろうとすると、ほとんどの場合、プレイヤーとしての仕事を優先してしまいます。

 なぜなら、自分のプレイヤーとしての仕事で成果を出さなければ、マネジャーとして部下に示しがつかないと考えるからです。ここにプレイングマネジャーの悩みが集約されています。

 しかし、プレイヤーとマネジャーは、やるべきことが明らかに違います。その両方の役割をこなすのは、無理なのです。立場が違えば考えも違いますし、役割が違えば行動も違うからです。