わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校 2025年入試対応#39Photo:PIXTA

中学校受験熱のけん引役といわれる、都心の高層マンション、いわゆるタワマン住まいの子育て家庭。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#39では、タワマンとそこで暮らす子どもの学力に「相関関係」を現場感覚から見いだす、「プロ家庭教師集団 名門指導会」の西村則康代表が緊急寄稿する。

中学受験の入試問題で増える
「生活知」の広さを尋ねる設問

 近頃、首都圏のマンションの平均価格が上昇し、都心では1億円を超えたという記事を見掛ける。特に高層マンション、いわゆるタワマンが人気のようだ。

 数年前、筆者が「高層マンションの高層階で暮らす子どもの学力が心配だ」というコメントをSNSに投稿したところ、大変な数の賛否両論を頂いた。日々、プロ家庭教師として子どもの学習に関わる中で、住まいと子どもの学力には、因果関係とまではいえないが、なにがしかの相関関係があるはずだという現場の感覚から、老婆心ながら投稿したのだ。

 その後、都心回帰が顕著となり、都心マンションの人気に拍車を掛けているという。そんな時期だからこそ、この件について補足説明が必要だと感じ、改めてキーボードをたたいている。

 子どもの学力において、「身体感覚」や「生活知」が重要だという思いは変わらない。本稿では詳しいことは省くが、ここ数年の私立中学の入試問題を見ると、子どもの生活知の広さや深さを尋ねる問題が増えている。

 この傾向は、今後中高一貫の6年間で伸びるだろう受験生を弁別するためには、12歳には既に限界レベルに達している難問奇問を出題するより、身体感覚に根差した生活知を問うことが有効だ、と各校が判断し始めた結果だと考えている。

次ページでは、「身体感覚」や「生活知」の重要性に加え、家庭で簡単にできるその鍛え方をお伝えする。