マクロは習得すべき?

「Excelスキルの最高峰といえばマクロやVBAでは?」と思っている人も多いだろう。実際、企業のExcel研修でも、「マクロを社員に学ばせたほうがいいでしょうか?」といった相談を受けることがある。

 もちろん学ぶのはいいことだし、使えるに越したことはないが、どういうときにマクロが有効なのかを理解しないと、仕事の現場では生かせない。

 マクロとは、ソフト(Excel)上で行う作業を自動化することを指し、面倒な繰り返し作業を1クリックで可能にする。特に威力を発揮するのは、例えば「行の挿入を100回繰り返す」「100個のExcelファイルのデータを1つのExcelファイルに集約する」といったケースだ。手作業でやると長い時間がかかる単純作業は、マクロでプログラムを組むことで、効率的に処理できるようになる。

 仕事でマクロを使うケースとしては、例えば「売り上げデータを基に、顧客50社それぞれに請求書をExcelファイルで作成して、さらにPDFに変換する」「ある集計の計算を、30個のシートそれぞれ行うという処理を、毎月やる」といった作業が挙げられる。一回マクロを組めば、後は格段に作業がラクになる。

 下のExcelシートを見てほしい。ある企業の商品A、Bについて、1~4月までの販売数をExcelにまとめたものだ。全ての支店について行を挿入し、商品A、Bの販売数の合計を月ごとに算出、終わったら全体の合計を計算。さらに背景色を付けて見やすい表にする。

【作業前】

【作業後】

 難しくはないが、それなりに手数が多く、時間がかかって面倒だ。しかしこれを、マクロで行うと一瞬で終了する(動画参照)。同じ作業を何回も繰り返すのであれば、操作を自動化できるマクロは威力を発揮する。業務に必要だと思うことが多ければ、身に付けるのは悪くない選択だ。