新卒1年目で努力できなかった焦りと後悔

「頑張らなくていいよ」という言葉を耳にするたび、私はいつも、新卒で入社した会社でのことを思い出す。

私はその会社を1年で退職し、別の会社に入ったのだけれど、転職した理由は、適切な努力ができなかったからだった。このままだとヤバい、何もスキルアップできないまま大人になってしまうと思ったのだ。

私が入社したばかりの頃は、ちょうどブラック企業対策に国全体が力を入れ始めた頃で、その会社も、新入社員にかなり気を遣ってくれていた。

先輩もみんな優しく、丁寧に仕事を教えてくれた。人によっては、とてもいい職場環境だったと思う。

でも私は結局、そこで1年働いても、「仕事ができるようになった」という実感を得ることができなかった。スキルアップしていないことに対して、悪い意味での納得感もあった。なぜなら、仕事に時間もエネルギーも投資しきれていなかったからだ。

で、まあ、その後どうなったかというと、社会人として当然習得しておくべきスキルが全く身に付いていなかった私は、次に転職した会社で上司からゴリゴリにしごかれるはめになった。もともと鈍臭くて気もつかえないタイプだったので、社会人2年目からが本当に大変だった。周りに追いつくために必死で働いた。正直な話をすると、入社1年目で頑張るという選択肢をなぜとらなかったのかとか、あのときもっと頑張っていれば未来はもう少し違っていたんじゃないかとか、今でもまだ、ふと考えてしまうことがある。

おそらく、しっかりとお金を稼いで、価値を提供できる人間になるためには、どこかで成長痛は感じなくてはならないのだろう。よっぽどの天才でもない限り。