インフレPhoto:PIXTA

1月も7.5%、40年ぶりの高インフレ
70年代以来の価格統制に脚光

 米国では、今年1月の消費者物価上昇率が前年同月比7.5%と、昨年11月の6.8%、12月の7.0%をさらに上回り、インフレが大きな問題となっている。

 このような高率のインフレは40年ぶりであり、米国では、その原因や対策を巡って活発な論争が起きている。

 主流派経済学者の議論は「持続的派(Team Persistent)」と「過渡的派(Team Transitory)」の二つに割れている。

「持続的派」は、バイデン政権の1.9兆ドルに及ぶ大型財政出動「米国救済計画」などが需要を過剰にしたと考え、財政支出の抑制や利上げを主張する。

 これに対して「過渡的派」は、このインフレは、コロナ禍から正常化する過程での過渡期的なものと考える。いずれ収束するだろうから、歳出抑制は誤った処方箋だと主張する。

 もっともいずれの論者も、インフレは財政政策や金融政策といったマクロ経済政策によって解決すべきという点は共通している。

 だが「戦略的価格統制」論の登場によって、インフレ論争は、価格統制の是非という論点も加わり一段と熱を帯びてきた。