マンション管理 天国と地獄#18Photo:praetorianphoto/gettyimages,PIXTA,Yoko Suzuki

初めてマンションを購入したばかり、初めて理事に就任したばかりのマンション管理「初心者」。特集『マンション管理 天国と地獄』(全18回)の最終回ではそんな初心者がぶつかりがちな「困った」に、RJC48(マンション管理組合理事長勉強会)の百戦錬磨のスゴ腕理事長が懇切丁寧に回答します(熱が入り過ぎて激辛になるかもしれませんが、ご了承ください)。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

「専有部の騒音、漏水トラブルを
管理組合に相談されても対応できません!

 住民同士のトラブルに、うまくいかない管理組合運営……初心者の「どうすればいいの!?」に国内最大級の理事長団体RJC48(マンション管理組合理事長勉強会)で、数々の修羅場を踏んできたベテラン理事長が答えます!

Q1 隣の住人の騒音がうるさい! なんとかしてください、管理組合さん!

A1 一応、注意喚起はしますけど、管理組合の管理対象は共用部で、騒音問題は専有部の話ですから肩入れは難しいです。こういうご相談を受けて騒音を計測すると、約8割で受忍限度よりも下だった、というデータもあるそうです。つまり騒音問題ではなく、過剰反応問題だったということも多い。理事会としてはますます安易に片側に肩入れはできません。相互で話し合うなり、裁判するなりで解決してもらうしかないですね。「相手と話をするから立ち会え」というご要望には応じます。マンションは縦型の長屋なんですから、ある程度近隣の音とのお付き合いは必要です。苦手なら戸建てを選択しましょう。

Q2 禁止のはずのペットを連れて共用廊下を歩いてる人がいる!バルコニーで喫煙してる人がいる!

A2 管理規約か細則で禁止されている事項なら、見掛けたら注意するように管理員さんには伝えます。 どうしても気になるなら、写真など証拠となるものと部屋番号を管理会社に通知して「規約・細則の定めに基づいて対応ください」で粛々と対応してもらいましょう。

Q3 マンション前の広場でスケボーで遊ぶ若者が危ない!道路も傷だらけ、どうすればいいの?

A3 基本的には警察に通報です。スケボーイは、スケボー禁止の日本語や禁止サインが読めなくても、制服の警察官には弱いという特性があります。彼らから「ここは面倒な場所だ」と認定されるまで、何度でも通報しましょう。戸建て住宅街ではスケボーイをあんまり見掛けないでしょ?これはここで遊ぶと通報されることをスケボーイは理解しているからです。

Q4 上の階の天井から謎の大量漏水!家財に被害が!管理組合さん、なんとかして!

A4 1と同様の専有部マターなので、管理組合を巻き込まず当事者間での解決が基本です。上階の加害者の方に請求しましょう。怖ければ管理会社に当事者間の話し合いの仲介をお願いしてもよいです。まっとうな方であれば個人賠償責任保険(個賠責)に入っていますので、保険でカバーされるはずです。管理組合側は、 この手の問題は個人間で解決させること、 組合の保険を使わないことを「事前」に取り決めしておくことが大事です。管理組合の個賠責を使用できるケースもありますが、これを繰り返すと管理組合が共用部分で契約している火災保険の値上がり根拠となり最終的に皆さんの負担が増えます。基本的には加害者請求が前提です。